何だろうか?そろそろ、鈴虫か何かはしらないが、「リリリリーン・・・」と鳴いているのが耳に入る。暑いと思っているとなかなか耳に入ってこないが、「自分の中でもう夏も終盤か」という思い入れが何かしらあるからか、いつの間にやら耳に届いてしまう音色だ。それは秋の始まりを連想させる。私が思い当たる秋を想像すると・・・紅葉と落ち葉であって、すぐに冬のうまい鍋や師走の慌しさが瞼の裏に映る。情緒のない、と言うよりも味気ない男である。おまけに「リリリリーン」 の鐘が鳴ったら、もう正月だ。そして今、冬正月を思い起こせば、残暑が今以上に暑いように感じる。四季の激しい国なのに、何故か肌季節はやわらかで曖昧だ。