呼吸は、自律運動であると同時に、意識によりコントロールできる生理現象である。一方、自律神経は意識により通常は制御できないが、呼吸を介して意識的に自律神経を活性化させる方法がある。リラックスするためには、自律神経のうち副交感神経を活性化し、交感神経を抑制させれば良い。その方法は、ゆっくり深く息を吐き出すやり方である。これが「呼吸の奥義」だ。息を吐く時、横隔膜が上にあがる。そうすると横隔膜の筋紡錘から神経の信号(インパルス)が発生して、脳幹の呼吸中枢を刺激する。脳幹は、その刺激を受けてインパルスを視床下部に送り、その結果、リラクゼーション効果を生むと考えられるらしい。軽い運動やゆっくりした呼吸、それも吸うよりも吐く方が副交感神経の亢進に都合が良いらしい。交感神経と副交感神経との活性化のバランスが、心拍間隔のバラツキ(変動係数)で評価できる。心臓が規則正しく拍動している時は交感神経が勝っている。心拍間隔にバラツキや揺らぎある時の方が、副交感神経が主でリラックスしている。呼吸と心の対応する例としてスポーツの話が出てくる。集中力を要する運動でミスの前に呼吸の乱れが見られるという。規則正しい呼吸の時は得点を上げている。きれいな実験結果だ。呼吸の乱れが敗因に繋がるようだ・・・・・皆さん一緒に深呼吸。