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メール

最近の人は人格のすべてをさらけ出して人間関係を持とうとはしない。社会的な役割の中で情報を共有することで結びつく局面的な人間関係となった。その典型的なツールがメールである。メールには機能的に便利な面があると同時に、他にも人間の心理へ影響を及ぼすような特徴がある。何度も読み返しができるが、相手がどう感じているかの手がかりが少ない。そのため、読み手の気持ちにあった部分を拾い読みし、相手の良い印象だけが記憶に残る。そして自分の全てを理解してくれる人間だと錯覚するようになる。自分の本音も言いたくなる。だからメールは親密になり易いメディアのように思う。相手の情報が少ないという事は逆に働くこともある。文面を想像で補わなければならないから、自分の考えが結構入る。そのため、反発も大きく感情的に対応してしまう。そもそも恋愛とは、幼児期の親に向けていた感情を反復して、得たいと思う気持ちが変化した様なもので、理想的には自分を100%受け入れてくれる相手を求める。ネット上で親密になったように思っても、自分の感情の投影=錯覚であるから、相手の思いを突然知ることになる。良好な人間関係を築けていない人は妙な万能感がある。そのため、そのような人のネット失恋は自己否定の感情を生みやすい。メル友・携帯メール・出会い系サイト・メールに関する世代格差等・意外と奥が深い。ネガティブになった時、メールカウンセリングなどを利用するといいのかも?