ブッシュ政権が最近イランとの対決姿勢を一段と鮮明にしている。隣国イラクの情勢が泥沼化する中、イランが反米武装勢力に高性能爆弾を提供している証拠を握ったとして、ブッシュ大統領がイラン工作員の殺害を命令。イラクの戦場は、長年の敵同士である米国とイランの衝突の舞台となるかもしれない。イラクにおけるイスラム教シーア派の復活により、同派の宗主国と言えるイランは急速に勢力圏を拡大、米国の中東戦略を阻害する要因にまで発達した。このため、ブッシュ政権は安保理を利用した外交・経済的な締め付けと並行して、軍事的にもイラン封じ込めを急いでいると同時に、チェイニー副大統領を筆頭とする政権保守派も、対イラン武力行使の選択肢を排除しない考えさえ示唆している。まだまだ目が離せない中東情勢だ。