何年ぶりだろうか?久しぶりに読んだ。経済界の偉いさんにも、この本の愛読者が多い。幕末から明治維新時代の人間が、命を賭けて新時代を創世していく「男のロマン」を感じさせる。が、今の時代にはそぐわない。「なせばなる。なさねばならぬなにごとも、ならぬはひとのなさぬなりけり」奥の深~い言葉である。ネガティブな人に言わすと、できないものは、できないのである。人には向き不向き、得意不得意があるし、高度成長で右肩あがりでない時代にはモチベーションの高さが、弊害を生む場合も確かにある。ある意味、豊かな時代であり、成熟した文化もあるのに、ひたすら、何かを求めて走り続けるよりも、時には豊かさを味わってもいいとは思う。自分の器に合った生き方や、無理のない生き方が一種のトレンドだったりする現代、努力と忍耐と情熱で成功を手にする時代は無くなりかけている。ほんの一部分の優秀で運の良い人だけが、努力の果実にありつける。大成功しなくても、十分に今ある自分で幸せなんだろう。人間には最後までしなければならない事など何もないのか?人生、全て選択の連続であり、嫌な事からは逃げても全然かまわないのか?「逃げて逃げて逃げまくれ!自分に向かない事は避けろ!無責任と言われ様が、臆病といわれようが関係ない。おれにできない事は誰かが代わりにやってくれる。どうせ人間なんて、みんな一長一短でたいした違いはない。ただ、生きている奇跡に感謝し、愛する家族に恵まれたことに感謝し、その他は、全て2次的なものだ」こんな考え方も自由だ。が、私には悲観的に写る。確かに愛する人と平穏に暮らす。それだけでも大事業だ。それができない人も、たくさんいる。だから気楽に、「生」を楽しむ?昨日をくよくよ考えないで、現在を楽しむ?こともいいが、人生、走るべき行程を走り尽くせ。と言いたい。