「コレステロール常識」なる書を読んだ。血清コレステロール値は 240 ~ 260 mg/dL が一番良いと言うが、ガン・脳卒中・冠動脈疾患による総死亡率は、これより低くても高くても変わらない。標準の診断基準は 220 mg/dLらしいが、根拠のある研究結果に基づいて決められたものではない。危険因子のない人に「治療目標値」が 240 mg/dLと説明。論理矛盾まで生じている。三共製薬やメルクやファイザーのスタチン系医薬品は、確かにコレステロール値を下げるが、脳梗塞の発症低下は年間1000人あたり1人で、冠動脈疾患では0.2人であるから、効果的ではない。動脈硬化や心疾患は、コレステロール値と相関するのではなく、低HDLコレステロール値・高中性脂肪値・高血圧・糖尿病・喫煙といった因子との関係が強いようだ。日本人は同じ高コレステロール血症でも、心疾患の発症は欧米人の半分である。魚食によりEPAを摂ってるからかも?これと同様の効果があるのがαリノレイン酸で、シソ油やエゴマ油に多い。従来、コレステロールを下げると言われてきたリノール酸は逆に心筋梗塞や動脈硬化を促進するので、ナタネ油を使うような食事指導は間違っていたようだ。いずれにせよ、人は適度の運動をするのが一番大切であると、改めて読後に思った。