覇権の委譲が行われる時には、組織の大小に係わらず、そこには必ず軋轢が生じる。会社などでは、覇権を得た者が対立するグループの粛正を行う。省庁の特殊法人への天下りは、覇権の委譲による粛正が、税金を使ってシステム化されたものだ。今世紀最大の覇権の委譲は、米国から中国への委譲である。この委譲期には、極めて不安定な通貨不安が起こると考えて間違いない。昨今のドル暴落は、サブプライムローンに始まっただけでなく、既に覇権の委譲が始まった事を意味する。国が倒れる時に緊急避難として、金などの実物資産へお金がシフトするのは、歴史が繰り返し証明している事だ。世界覇権の委譲期こそ、実物投資に走るべきだ。この100年で、劇的に交通・通信のインフラが進んだ事で、21世紀は 世界の富が再分配・平準化される世紀になるかもしれない。