卒業・入学・就職の時期だ。私は子を持つ親では無いのでわからないが、もし私に子供がいて私立の学校へでも入れるとなると、年収の少ない私の生活は厳しくなるわ、一戸建て購入などは夢のまた夢だ。その点、金持ちの頭のいい親から生まれた子は、良い学校に入れて、良い先生から良い教育を受け、学生生活からの人脈もそれなりにできる。そうでない家庭はその逆となり、格差が固定される。でも勝組は少なくなっており、勝者でいるためには私生活(家族・友人・地域コミュニティ・趣味等)の犠牲が大きいようだ。となるとこのニューエコノミーの中で本当に幸せになるのは誰なのか?私達は消費者として、かつて無いほどの便利さと選択肢を獲得しているが、それは低賃金の労働者にささえられている。安く・早くを追求した結果だ。だが私達は同時に生産者でもあり、多くが労働者でもある。企業業績が伸びても賃金が上がることはないし、一部の本当に才能と運のあるものだけが多くの富を手にする現在。職場・教育・家庭でおきている問題が、ニューエコノミーの到来によってもたらされたリスクだ。教育崩壊は教師の質の低下だけではなく、晩婚・非婚・少子化からフリーターの増加に至るまで、社会が産業革命以来の根本的転換期にあることを認識すべきだ。だいたい自己責任や能力主義は後戻りできないもので、それに伴うリスク認識や対策ができていないのが、今の状況だろう。