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努力

今のこの世の中で、貪欲や不義不正、貧困やみだらな肉欲の争いが絶えないとしたら、それがそのまま人間生活というものだろう。清潔で汚れ無き世界は、空想だけのもので、そういう汚濁の中でこそ、人間は生きることができるのかもしれないし、なにかを試そうという勇気を持つのかもしれない。心に傷を持たない人間がつまらないように、過ちのない人生は味気ないものだ。自分の生活が、例えば仕事について無意味だと思ったり、意義を見出したり、スポーツや芸術で一流を目指したり、常に目標をもって努力することが、生きがいであるかのように思われるが、ひと時の華やかさの裏で、百の苦痛と鍛錬の末に生みだされたモノがある。たとえそれが虚しい努力であると悟っていても、それを為す者が偉大であるように・・・